金木犀の香り…(つづき)
さて、昨日の記事の続きです。
あの放送が録音されたカセットテープ、無事に収納箱の中から出てきたのですが、そこで気がついてみると、カセットテープを再生できる機械が自分の部屋には無い…(汗)。もともと私は、ヘッドホンステレオに関してはディスクマン→Personal Jukebox(HDD入りのMP3プレーヤ)→iPodという変遷をたどってきたので、既にカセットテープは過去のものになっていたのです。
あ、そうだ、自分の車の中に行けばカーステレオで聞けるなぁ…。でも、そのために車に乗るのも面倒なので、とりあえず再生するのはお預けにして、記憶だけをたよりに書いていきます。
ミスティナイトで紹介された内容は、こんな感じでした。
朝、部屋の窓を開けてベランダに出てみると、なんだかいつもとは違うにおいがしました。
「誰だよ、トイレの芳香剤のにおいをまき散らしている奴は?」と一瞬思ったのですが、ベランダから隣の空き地を見下ろすと、そこには何本かの金木犀の木が花をつけていたのです。
「そうか、もう金木犀の季節なんだなぁ…」毎年、この季節になるといつも、トイレの香りを連想してしまいます。
(ここで谷山さんが笑いました)
トイレの芳香剤って、トイレの匂いを消すために使われてるものですよね。それが、小さい頃からかいでるうちに、いつのまにか「あれがトイレの香りだ」と連想するようになってしまったようです。
金木犀の香りを素直に楽しむことのできない、風情のない奴だと思われるかもしれませんね。でも、金木犀の香りって、花の香りの中では何だか一番、人工的な香りのような気がしませんか?
で、谷山さんのコメントですが…
人工的な香りがなかった頃は、あれも自然の香りだったんだと思うんですけど~(笑)
これっていわゆる、「時代はバーチャルだ」ってやつですよね。
マネージャーの宗さんも、日本海の「ざっばーん」を見て「東映だ」と思ったそうですからね~(笑)
さてと、この放送だけで済めば、まだそんなに大した思い出でもなかったのですが…。
どうも、このネタを谷山さんは気に入ってしまったのか、それから暫く後に開かれたコンサート(かつしかシンフォニーヒルズだったかな…)でも、谷山さんのMC中に、このネタが紹介されたそうなのです。
私はこのコンサートには行かなかったので、残念ながら伝聞でしか知らないのですが…。どうも、紹介された直後、満場、笑い声に包まれたとのことで…ううむ、やはりあのコンサート、行っておけばよかったなあと思います。
とまあ、やはりこれだけ谷山さんに気に入っていただけると正直嬉しいですし、これは今なお、自慢話にしたくなる思い出ではあります。(笑)
ただ、ちょっと気になるのは…。当時の谷山さんにとっての関心事、問題意識を持っていたことのひとつは(当時の歌の作風や、雑誌その他での発言から推察するに)、
「今の人たちは、文明が作り出した観念という枠組み(ある種の幻影?)の中にどっぷり漬かって生きていて、その外の世界に目を向けようとしていない」
という事だったようなのです。(「卵」などを聴くと…今でも同じかもしれません)
とすると、私が投稿した「金木犀の香りでトイレを連想した」とか、当時のマネージャーの宗さんの「日本海の荒波で東映を連想した」といったエピソードは、谷山さんにとっては、上の持論を支持・補強するための格好の材料だったのではないか。そんな気が、どうも少しだけするのです。
まあ流石に、自分でも、これは多分考えすぎだろうとは思いますけど…。
「金木犀トイレ」も「日本海東映」も、どちらもラジオDJネタに丁度良いくらいの他愛無いネタに過ぎないわけですから…。
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