手ぬぐい探しの思い出
昨日の記事「土産物の絶滅危惧種」で予告しましたように、今日は、私が今までに旅先で入手した手ぬぐいについて、思い出話をつづってみます。
東武電車の手ぬぐい
これは別に、入手にそれほど苦労した手ぬぐいではないのですが…、それでも、私の手ぬぐい探しの原点として、まずは書いておきたいと思います。
東武宇都宮駅の出札口で見かけて買った、東武100周年記念の手ぬぐいです。創業時から現在までの様々な車両が、手ぬぐいにイラストとして刷り込まれています。
(いつだったか、既に記憶に無かったのですが、ググって調べてみると東武100周年は1997年のようですね)
で、この手ぬぐい、暫くは袋から出すことも無く保存してありました。実用にするよりはコレクション。使ってしまったらもったいないような気がして…。
ところがある日、父が「手ぬぐいの手持ちが減ってきてしまって…」と言い出したので、こんなのならあるよと言って袋を開け、プレゼントしたのです。
(それ以来、私は「実用品系のおみやげはコレクションするより愛用してこそ意味がある」という考えに傾くようになってきました。ちなみに私の車の鍵は、新幹線「こまち」車内限定販売のキーホルダーにぶら下がっています。既に金メッキが随分すり減ってますが)
この手ぬぐい、明らかに染め抜きではなくプリントものなのですが、随分と長持ちしています。
もう何年も使われているにも関わらず、いまだに現役です。さすがに少し色あせ、両縁の余白部分が減ってきていますが…。
草津温泉の手ぬぐい
赤い文字で「草津温泉」と書かれ、草津温泉名物の「湯もみ」の絵が書かれている手ぬぐいです。まあ、温泉地のお土産の手ぬぐいとしては、いかにもクラシックな絵柄だと言えるでしょう。
これを手に入れたのは2年前の5月の連休でした。
さすがに有名な温泉地なのだから、手ぬぐいを買う人も多いんじゃないかな…と思っていたのですが、これの入手は意外と大変でした。3箇所ほど土産物店をまわって、やっと見つけたものです。
草津温泉といえども手ぬぐいは手に入りにくいの…? かなり意外な感じがしました。
禄剛崎の手ぬぐい
禄剛崎は、能登半島の先端の岬です。低いながらも古くて風格のある灯台が、海を望む台地の上に立っています。ここに行ったのは2年前の5月…草津温泉の2日後でした。
この禄剛崎で景色を心ゆくまで眺めたあと、駐車場への道をたどっていると、途中に古びた土産物屋が店を構えていました。かなり古い木造の建物で、もう何十年も、この姿で変わることなく土産物屋を開いている…そんな風情を感じさせる店でした。
店の奥まで入っていくと、なんとも薄暗い空間でした。
ともかく、手ぬぐい、手ぬぐい…あ、ありました。種種雑多な民芸みやげの間に、あまり目立たない状態で置かれていました。
買って家に持ち帰り、広げてみると、禄剛崎の台地と灯台の絵が描かれていました。やはりこれも、土産物の手ぬぐいとしてはオーソドックスな雰囲気を漂わせる一品です。
沖縄の手ぬぐい
去年の7月、南大東島と沖縄本島をドライブしたときのことです。
沖縄文化は本土とは違うし、さすがに手ぬぐいは無いんじゃないか? そう思いながらも、ほんの少しは手ぬぐいのことを気にしていた旅行でした。
レンタカーで、ともかく沖縄一周ドライブです。島の北端の辺戸岬に到着し、海の向こうの与論島を眺めたあと、土産物屋に入ってみました。
で、色んな商品を眺めながら店内を歩いていると…ありました。これはかなり意外でした。
といっても、図柄は「ゴーヤーマン」、そう、NHKのキャラクター商品です。発売元は大阪の会社でした。
でも、「沖縄本島」の文字と、島の簡単な観光案内図も書かれていて、沖縄みやげとしての体裁は保っています。
この手ぬぐい、もっと観光客の多い万座毛の土産物屋では見かけませんでした。それに、帰りがけの那覇空港の土産物屋でも探してみたのですが、やっぱり見かけず…。
禄剛崎といい辺戸岬といい、手ぬぐいというのは最果ての岬に棲息する傾向があるのでしょうか?(^_^;)
北海道の方言手ぬぐい
去年8月だったか今年2月だったか、どちらだったかは忘れましたが、北海道帰りに新千歳空港の土産物屋で手ぬぐいを探した経験があります。
先日も書いた通り、新千歳空港の土産物屋は規模がやたらと大きく、実に沢山の店が延々と並んでいます。お菓子専門店、何でもありの店、マスコットや布製品専門の店などなど…。そのとても広大な商業施設を、私は本当に血眼になって探したものでした。
そして…やっと見つけました。
私が見た限り、手ぬぐいを置いてある店はその一つだけ、しかも、陳列棚の片隅に、ちょこんと積んであるだけという状態でした。
レジに持っていって、店員さんに聞いてみると、やはり手ぬぐいはあまり売れない商品のようです。ああ、やっぱり絶滅危惧種なのかなぁ…。
この手ぬぐいの図柄は、いわゆる「方言手ぬぐい」の典型でした。北海道の方言とその意味が、縦書きでずらずらと並んでいるというものです。
(ちなみに、定山渓温泉や札幌テレビ塔の土産物屋でも手ぬぐいを探したことがありますが、この方言手ぬぐいは見つかりませんでした)
宇都宮の餃子手ぬぐい
この4月に友人Kei氏と一緒に、宇都宮の大谷資料館(大谷石採掘場跡の巨大な地下空間)を見に行った際、資料館隣接の土産物屋で手ぬぐいを見つけました。思いがけなく…、そう、本当に「思いがけなく」という感じでした。
小さな店ですが、商品や雰囲気にこだわりを持っている店でした。
どこにでもあるような俗っぽい品物はあまり置いてなく、主力商品は大谷石で作られた小物類。そして、宇都宮周辺の手づくり民芸品の類がいろいろと並んでいます。けばけばしさが無く、落ち着いた店内。階段を上がると小さな喫茶コーナーがあって、素朴な焼き物のカップでコーヒーが飲めます。
この店に、「ぎょうざてぬぐい」が3種類もありました。それも、広げた状態で壁にかけて展示されています。これだけ目立つ陳列方法で手ぬぐいが販売されているのは、初めて見ました。
私はとりあえず1種類だけ買いました。図柄は、皿が3枚(4枚だったかも)並んでいます。一つ目は餃子が普通に並んだ皿、その次は餃子が食べられて減った皿、最後は食べ終わって空っぽになった皿…という、四コマ漫画式とでもいうべきデザインでした。
…ううむ。
土産物の手ぬぐいのことを「絶滅危惧種」などと書いてしまいましたが、考え直してみると、もしかすると今は単なる「過渡期」なのかも知れません。
昔ながらの「和風の風景画」「方言一覧」といった図柄が廃れていく一方で、今までに無かったような個性的な図柄、それでいて「手ぬぐい」の雰囲気に馴染んでいる図柄が、新しい「土産手ぬぐい」として現れ始めているのかも…。
愛知万博で「抽象的な金魚柄」「キッコロとモリゾー」といった手ぬぐいが、比較的目立つ場所に並んでいたのを思い出すと…、手ぬぐいを探す私にとっては、何だか希望が見えてくる気がするのです。
(もっとも、父がそのような手ぬぐいを好むかどうかは、ちょっと気がかりではありますが…^_^;)
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