ゼロハリを持つ女子高生
何日か前、某所の居酒屋のカウンターで呑んでいると、近くのテーブル席の会話が聞こえてきました。ちょっと声が大きいグループだったので、何となく耳ダンボしてしまったものです。
聞こえてきた内容は、こんなものでした。
「バーバリーは元々は男向けのブランドだったのに、いつのまにか女子高生の間で流行してしまい、そのうち『おじさんはバーバリーを着てほしくない』なんて言われる始末。困ったものだ」
うんうん、確かに、気持ちは何となく分かるなぁ…と思いました。
でも、ちょっと待てよ…?
私はブランド物には疎いほうなので、バーバリーに対してはそれほどの知識や思い入れは持っていません。
では、別のもので思考実験してみましょうか。「男向けのブランドで、私自身も思い入れを持っているもの」が、もし女子高生の間で流行したら…?
で、そのようなブランドで、私が真っ先に思い浮かんだのは、ジュラルミン製アタッシュケースの「ゼロハリバートン」、略してゼロハリでした。
空想してみましょう……突然のように、街中の女子高生の間で、ゼロハリのアタッシュケースを持つのが大流行。電車の中でも、女子高生の大半があの銀色の金属バッグを持っている…。
そんな時期が年単位で続いたあげく、女子高生が「おじさんはゼロハリなんて持ってほしくないよねぇ~」と平気で言うような時代が到来した…。
ええ、そりゃ、そんなことになったら、私だってかなりの違和感を感じることでしょう。
でも案外、「なるほどなぁ、時代って変化するものなんだなぁ」と、ある種の面白さを感じながら冷静に眺めることが、(少なくとも私にとっては)出来るような気もします。
さて、どうせですから、さらに空想を進めてみましょうか。
女子高生が、あの金属製のアタッシュケースを持つとなると、まず心配になるのは「ちょっと重過ぎないか」という問題です。
でも、これは実際には、あまり問題にならないかも知れません。
なにしろ、腕力が全然ない私(普通の女子高生にも、腕相撲では多分勝てません(^_^;))ではありますが、一時期は平気でゼロハリを持ち歩いていましたから…。
次に考えるのは、「女子高生がゼロハリを持って何かメリットあるのか?」という疑問です。
これは答えが簡単に思いつきます。あのゼロハリのバッグは、いざという時には鈍器や盾として使えるような頑丈な代物ですから…。
電車の中で、女子高生に悪いことをしようとした男が、ゼロハリの角で思い切り反撃を喰らい、床でのたうち回る…。思い浮かべると、なかなか痛快な光景でしょう。
(いや、そもそも、ゼロハリ持った女子高生には、怖くて手を出そうとはしないでしょうなぁ…)
そして、一番重要な問題。
「果たして本当に、女子高生の間にゼロハリが流行る可能性があるのか?」という疑問ですが…。こればかりは分からないです。そもそも、ファッションの流行に限らず、未来の予測なんて殆ど不可能なくらい難しいのですから…。
世の中の流行には、裏に仕掛人がいる…ということはありますが、仕掛人の思惑通りに物事が流行するとは限りません。そもそも、「女子高生にゼロハリを流行らせよう」と考えて、実際にメディア戦略などを仕掛けるような者が、果たして存在するかというのも疑問です。
…と、ここまでは、今朝の電車の中で考え事をした結果なのですが…。
今日の日経に、(私にとっては)何だかやたらとタイムリーな記事が出ていました。
「かばんのエース、米ゼロハリバートンを買収」
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070111AT1D1009C10012007.html
鞄メーカーの「エース」の名前は私もよく知っています。かつてはサムソナイトのライセンス生産もやっていたはずですし、一時期は私もエースのサムソナイトを使っていました。
さて、この記事によれば「商品群を拡充するなどして、売上高を現在の3倍以上に引き上げる」とのこと。
ううむ、どうでしょう。ゼロハリを3倍以上売るってのは…。顧客層を、従来の常識と離れた層に拡大しない限り、到底無理な気がするのですが…?
エースの戦略が今後どうなるかにもよりますが、もしかすると、この記事で書き連ねた私の空想、「女子高生が揃って流行のゼロハリを持ち歩く」が案外、本当になってしまうかも知れませんね(爆)。
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