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2008.05.02

EMU100、雪山トンネル、そして東部幹線の旅

 ただいま、高雄駅近くのホテルの部屋にて、ノートPCをネットに繋いでおります。
 今日も汗だくの一日でした。そのため、部屋に入って着替えるなり、まずはビールです。キリンの台湾限定商品らしい「激暢」、軽いビールの割にホップの香りが強めで、ちょっと不思議な味わいです。
 もう一本買ってある「台湾ビール」は、この記事を書き終えてシャワーを浴びた後に開けてみることにします。

 さて、今日の行動を振り返りますと…。

 今朝、台北のホテル(西門町と龍山寺の間くらい)を朝7時半過ぎに出た私は、まずはとにかく台鐵の駅に行ってみることにしました。タクシーに乗ろうかとも思ったのですが、まだ朝でそれほど暑くなかったため、徒歩で萬華駅まで歩きました。ここから区間車(普通電車)に乗って桃園まで移動です。
 今月中旬のダイヤ改正で引退となる(らしい)、英国製の古い特急形電車EMU100型。この電車の現在の運用を調べると、西部幹線の北行、早朝に嘉義を出て9時50分に台北に着く自強号に使われているらしいので、まずはこれに(短い区間だけであっても)乗ってみることにしたのです。
 桃園駅で9時17分発の切符を買い、ホームで待っているうち、やがてEMU100の顔が近付いてきました。運転席の窓が妙に小さくて、独特の顔をした電車です。
 乗ってみると、さすがに車内は古びていますが、どことなく英国式の優雅さが残っているような内装と、そして落ち着いた走り心地でした。

 台北駅に到着すると、ホームの向かい側には花蓮行きの新型特急タロコ号が発車を待っていました。
 あれ?確かこのタロコ号、いま乗ってきたEMU100自強号と台北駅を同時着発(9時50分)だったはずです。それではさすがに乗り継ぐのは無理だろうと思っていたのですが…。現実には、目の前でドアを開けて発車待ちをしています。
 もし、このタロコ号に乗れれば、そこから先の乗り継ぎも好都合で、高雄には明るいうちに到着できる筈です。さてどうしましょう?切符はありませんが構わずに乗ってしまいましょうか?いや、このタロコ号は全車指定ですし、切符無しで乗ってはまずいでしょう…。
 結局、目の前のタロコ号はあきらめて、当初の予定通りに先を進めることにしました。

 次の東部幹線の列車は10時5分発の台東行きです。しかし、これより一時間近く前、9時11分に台東行きが出発しています。
 そこで…去年の暮れに運転を開始した、台北と宜蘭を結ぶ高速バスを使おうと考えついたのです。うまくいけば、一本前の台東行きに追いつけるかも知れません。この高速バス、台北と宜蘭を短絡する「雪山トンネル」を経由しているので、所要時間は1時間少々のはずなのです。

 台北駅を出て、バスターミナルの方に急ぎ足で歩いていき、宜蘭行きの乗り場を見つけ出しました。切符売り場で宜蘭までの切符を買い、発車直前のバスに直ちに乗り込みました。
 このバスは10時ちょうど発…ええ、台北駅の地下ホームに降り立ってから10分の間に乗り換えることができたわけです。我ながら感心してしまいましたが…そのかわり汗だくでした。
 ただ、台北の街中は結構混雑していて、いまひとつバスの進みがよくありませんでした。車窓を眺めつつ、「あ、あれが台北101か」、「このへんは電脳街だなぁ」、「あの団子みたいな電車、MRT木柵線かぁ」などと思っているうちに、やっと高速に乗ることができましたが、既に30分ほど経過していました。
 台北の街外れ、いきなり山深くなり、長いトンネルが多くなります。何本もトンネルを抜けて、ついに「雪山トンネル」へ入っていきます。長さ13キロ近くある長い長いトンネル、しかし、このトンネルに入る前に既に分水嶺は越えているようで、入口からもう下り坂になっていました。
 トンネルを出ると開けた景色が広がり、近くに市街地があるのが見えます。やがて市内の道路に入っていき、無事に宜蘭駅前に到着しました。

 到着時刻は11時半でした。…追いつこうと思っていた台東行きは宜蘭駅11時16分発です。「もしかしたら遅れているかも」という淡い期待も空しく、既に発車したあとでした。
 そんなわけで、「雪山トンネル経由で東部幹線の列車を追いかける」という試みは失敗に終わってしまいました。しかしそれでも、台北市内の雑踏、山深い中を走る高速道路、長い長いトンネル、抜けたらすぐに宜蘭の街…変化に富んでいて楽しいバス路線だったことは確かです。

 11時55分に宜蘭を出る列車で台東を目指しました。
 花蓮までは電化区間で電気機関車が牽引し、そこそこのスピードでした。しかし、花蓮から先は非電化…ディーゼル機関車に変わった途端、どうもスピードが出ません。車窓風景も極めてローカル線的で、何とも…実にのどかな汽車旅でした。
 天気は曇り。山の上のほうは雲に隠れてしまっています。建物が少なく田畑が多い、二つの山脈に挟まれた細長い盆地です。ううむ、日本のローカル線でも似たような景色があるような…と、そんな懐かしさを感じさせられました。

 池上弁当で知られる池上駅。到着と同時にホームを観察してみましたが、残念ながら立ち売りの人の姿は見当たりませんでした。午後4時前ではちょっと無理だったかも知れません。
 台東駅に午後4時50分過ぎに到着しました。まずは高雄までの列車(5時30分発)の切符を購入、そして次に駅の売店で「池上弁当」をひとつ購入しました。確か65元だったかと思います。

 台東から高雄までの「南廻線」、海沿いを結構速く走っていく、なかなか景色の良い路線でした。
 夕方の景色。日が暮れてしまうまでは眺めていたいと思い、しばらく「池上弁当」には手を付けず、窓の外を眺め続けていたものです。
 やがて、とうとう空腹が我慢できなくなり、「池上弁当」の蓋を開き、食べ始めました。台湾の鉄道旅行でおなじみの「鉄路弁当」と良く似た構成ですが、具の種類は普通の鉄路弁当より豊富です。しかも経木の弁当箱、温かくて重みのある御飯…。ええ、確かに、名物駅弁になるだけの魅力がある弁当だったと思います。

 高雄には午後8時前に到着しました。
 ホテルに向かう前に、まずは去年の台湾旅行で気に入ってしまったメイド喫茶「艾迪里同人喫茶館 Ideally Doujin Tea Corner」に向かい、渇いてしまった水分と糖分と萌分を補給することにしました…。

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臨】[2008年5月]微妙に(略)台湾一人旅3」カテゴリの記事

コメント

雪山トンネルは本当に長い。

投稿: | 2011.02.25 23:36

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