20年の壁~高松再訪記~
ただいま、「サンライズ瀬戸」の個室にて、日本酒をちびちびと飲みながら過ごしております。あとは寝て起きれば東京…。この旅行ももうすぐ終わりです。
いま飲んでいる酒は、金陵の「さぬきよいまい」純米酒です。…実は先ほど暫く過ごした夜の高松で、ちょいと感傷に浸ってしまう状況になりまして…。
普段とは文体をちょっと変えて書いてみます。
すっかり夜になった予讃本線。2両編成のディーゼル特急で高松駅に到着した。
高松に来るのは何年ぶりだろう…?かつて記憶に残っている高松は22年前?それとも19年前?とにかく、瀬戸大橋が開通する前後の数年の間にしか、四国には来ていなかった筈だった。
そんな私が今日、高松駅に降り立ってみたら、待ち構えていたのはまるで見覚えの無い街並みだった。そういえば、高松駅は数年前に再開発で場所が移動したんだったな…そんなニュースは記憶に残っていたけれど…。
新しくなった駅、奇抜な建物が建ち並ぶ駅前周辺。自分の記憶に残っているものは、そこには皆無に等しかった。
20年前、高松に泊まる度に愛用していた古い駅前旅館は、今どこにあるのか?
あの頃、先輩から教えられて足を運んでいた、飾り気の無いセルフサービスの讃岐うどん屋は、今もどこかにあるのか?
何だか、自分の意思とはあまり関係なく、駅前で自分の足が動く感じだった。20年前の高松の記憶を探すために。20年前に泊まったあの宿と食堂をひとめ見るために。
10分、あるいは20分ほど歩き回っただろうか。諦めかけた頃、目の前に旅館の看板があった。忘れかけていた名前だったけれども、看板を見たら思い出した。ああ、確かにここだ。別に今夜ここに泊まるわけではないけれど、ほっとした瞬間だったかもしれない。
あの讃岐うどん屋は見付からなかったけど、もう仕方ない。それに、あの当時も、朝か昼前に行かなければ開いていない店だったし…。
駅への道をたどりながら、「20年か」と心の中で呟いていた。そう。つい先日のように思うけど、既に20年。その間に街並みは大きく変わってしまったんだな、高松駅前の風景も、自分の心の風景も。
変わる前と変わった後。どちらが良いかを論じるのは、自分の好みではない。自分がやるべきこと、そして出来ることは、「今」の姿を受け入れ、そして楽しむことだけだろうと思う。
新しい姿の高松駅に戻り、「とにかく、讃岐うどん食べよう」と思って、駅の2階の店に入った。
この店でメニューを見ると、限定販売の枡酒というのがある。何でも、最近になって産まれた讃岐の酒米の品種を使って作られた酒らしい。とにかく注文し、飲んでみたら…おお、私の酒の好みからすると、かなり良好な味じゃないかと。
この品種、構想から20年かけて作られたという品種らしい。ん?…20年…そっか、自分が讃岐からずっとご無沙汰していた年数か…。
天ぷらうどんを食べつつ枡酒を飲み干した後、「よいまい」か…覚えておこう、と心に刻み込んで、おあいそを済ませて店を出た。。
まだ寝台列車の発車まで時間がある。駅前に出てみると、広場で、ストリートミュージシャンの5人組が演奏を始めていた。私は足を停めて耳を傾けながら、この旅行最後の夜を過ごしたのだった。
…ううう、やはり普段と違う文体だと書きにくいです。とりあえず、酒の勢いで書いた感想文、いや感傷文ということで読み流して下さいませです(汗)。
ともあれ、そんな経緯で知った、構想20年の「さぬきよいまい」を使った日本酒。なかなか飲み易いなと思います。そこで、「サンライズ瀬戸」に乗り込む前に、駅のコンビニで探し出して購入したというわけです。
ここまで書いたところで、先ほど既に姫路を発車してしまいました。
酒は未だ瓶に少し残っています。とりあえず、鞄の中に一杯の土産物の中から、宮崎の「鶏のささみくんせい」を取り出してみました。これをつまみに、今夜の酒のラストスパートに入ろうかなと思っています。
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