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2011.01.29

ジェットフォイルの思い出

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上の写真は先週の土曜日、鹿児島港の種子島行き高速船の桟橋にて撮ったものです。
噴煙をあげる桜島をバックに、ジェットフォイル「トッピー1」が近付いてくるところ…。iPod touchで急いで撮ったので画質は今ひとつですし、ジェットフォイルがちょっと逆光ですが、それでも我ながら「それらしい」写真になったような気がします。

ただし、この写真を撮ったとき、ちょっと事態は困惑気味だったというか…穏やかではありませんでした。

実は、当日の記事(ロケット打ち上げ成功を見届けた記事)の最後に、「今日の行程も色々あったので、あとでここに追記します」と記した所には、そのときのちょっと苦い体験を書こうと思っていたのですが…体調不良でなかなか追記できませんでした。
今夜はそれを書いてみようかなと思います。

1月22日。鹿児島を10時20分に出発した「トッピー5」。
種子島の西之表港に到着するのは11時55分の予定です。接続するバスで南種子へと向かえば、14時37分の「こうのとり2号機」の打上には余裕をもって間に合います。ええ、私はそういう予定で乗船し、窓側の席に座っていました。
ところが、鹿児島港から出ても、どうも加速する様子がありません。後ろの席から「ああ、これは故障してるな」という声も聞こえてきます。やがて船内放送で

「本船は取水口にゴミが詰まり、加速できません。これより鹿児島港に引き返し、別の船に交換します。ご迷惑をおかけして申し訳ございません」

そしてゆっくりと旋回し、港に戻り始めました。
ちょっとそれは…困ったな…。時計を見ながら、ジェットフォイルが港に戻るまでの時間、そして代わりの船が用意できるまでの時間を見積もると、西之表への到着は一時間ほど遅れそうです。
一時間も遅れては、接続するはずのバスは多分待ってはくれません。タクシーを使えばロケット打上には間に合いますが、西之表から距離があるのでタクシー代は高いです。

周囲を見回しました。隣の席の若い男性と、後列の通路側の若い男性、この二人はどうやら私と同様、ロケット打上を見る旅行者のようです。さっそく声をかけ、三人でタクシー相乗りグループを結成しました。
(ちなみに、後列の窓側は屋久島まで乗る地元の人でした。この船に乗り慣れているため、先程の「故障している」という判断がいち早くついたのです)

携帯で検索し、種子島のタクシー会社の電話番号を調査。そして予約の電話を入れました。ところが…「申し訳ございません。今日は予約で一杯になっております」。
ええ、ロケット打上の日は、種子島はタクシーでさえも予約が難しくなるのです。さて、どうしたものか…ちょっと途方に暮れているうちに、「トッピー5」は鹿児島港に戻りました。急いで下船します。

乗客はスムーズに下船し、「トッピー5」は桟橋を離れました。沖合には既に「トッピー1」が待機しています。
そのとき、桟橋の一番先のほうで歓声があがりました。ちょうど桜島が噴煙をあげたのです。多くの人たちがカメラを桜島に向けていました。私もすぐに、手にしていたiPod touchのカメラを起動しました。

そして撮ったのが、この記事の冒頭の写真というわけです。

手前に見える泡立ちは回送していく「トッピー5」の水流。その向こうから「トッピー1」が接近。そんなシーンで桜島が噴火とは、何というか、タイミングが良過ぎます。
(最近の桜島は、小規模な噴火が一日に何回も発生しています。風向きは向こう側ですし、この規模であれば種子島行きの船への影響は心配有りません)

さっきよりちょっと内装が古い「トッピー1」に乗船、11時過ぎに無事に出発しました。今度は港を出てすぐに翼走開始。ちゃんと速度が出ています。
さて、座席に落ち着いたら…島到着後の計画の練り直しも再開です。
西之表でのタクシーの確保をどうすべきか…。でも、私は殆どあきらめていたのに、斜め後ろの若い男性は粘り強く、島の各タクシー会社に電話を続けていました。やがて…「予約に成功しましたよ!」と嬉しそうな声で報告。おお、素晴らしい! これで安心です。
ほっとして、それから西之表到着までの一時間少々、ウトウトしながら過ごしていました。

船は翼走状態のまま、西之表の防波堤の中に入っていきました。
下船準備をしていると、船内放送が、「本日、西之表港で臨時バスが待機しております」。おお、これは…。
この船には、ロケット目的の乗客は決して少なくない筈です。その大半の方々が選んだ方法は「船員さん、臨時バスを出して下さい」とお願いすることだったのでしょう。タクシー相乗りを選んだ私達三人は、もしかしたら少数派だったのかも知れません。

「どうしましょうか?臨時バスにしますか?」
「せっかくタクシーの予約を取ったんですから、私達はタクシーで行きましょう」
「そうですね」

時刻は午後1時前。打上まであと一時間半と少々です。
下船した私達三人は、桟橋で待つタクシー運転手を見つけて駆け寄り、臨時バスを横目にタクシーへと乗り込みました。

港からタクシーで走ること約40分。無事に南種子町の宇宙ヶ丘公園に到着しました。
タクシー料金は9960円でした。一人当たり3320円。降りたらすぐ目の前(といっても数キロ先ですが)に、打上を待つH-IIBロケットの姿が、はっきりと見えていました。

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